酸素療法の基礎を看護師目線でまとめた【デバイスと流量早見表】
酸素療法のデバイスって、最初は種類が多すぎて「何L/分で何を使えばいいの?」と迷いますよね。
「カニューラとマスクって何が違うの?流量によって選ぶものが変わるって聞いたけど……」
その疑問、コアラ先輩が答えていくで。
これを理解しないまま現場に出ると、ちょっとヒヤッとする場面に出会うこともあります。
この記事で分かること
- 酸素療法のデバイスの選び方と流量の基本
- なぜデバイスを間違えると危険なのか
- CO2ナルコーシスのリスクと観察ポイント
現場でサッと使えるよう、ブックマークしておいてもらえると嬉しいです。
酸素デバイスは「流量」で選ぶ
酸素デバイスを選ぶときの大原則はシンプルです。
患者さんに必要な流量に合わせて、デバイスを決める。
「口呼吸だからマスクにしよう」ではなく、まず流量ありき。
マスクを選ぶなら5L/分以上が必要です。
それより低い流量しか必要ない場面では、経鼻カニューラを使います。
デバイスの指示は医師が出しますが、実際に管理するのは看護師です。
「指示の流量とデバイスが合っているか」を確認できるようになっておくだけで、現場の動き方が変わります。
ここを知ってるだけで、先輩からの信頼度がぜんぜん違うで。意外と知らない人が多いポイントやから。
【保存版】デバイスと流量の早見表
現場でよく使うデバイスを流量順にまとめました。
| デバイス | 流量 | 先輩のひと言 |
|---|---|---|
| 経鼻カニューラ | 1〜4 L/分 | 低〜中流量の基本 |
| 簡易マスク | 5〜8 L/分 | 5L未満はCO2再呼吸の危険あり |
| リザーバーマスク | 6〜15 L/分 | 高濃度酸素が必要なとき |
最初はこの3つの感覚を掴むことから始めれば十分です。
まずは経鼻カニューラとリザーバーマスクの2本軸を覚えて、簡易マスクは「5L以上じゃないとCO2がこもる」だけ頭に入れておきましょう。
リザーバーマスクは袋を膨らませてから装着する
リザーバーマスクを使うときは、装着前に必ずリザーバーバッグ(袋)を膨らませるひと手間が必要です。
最大流量で酸素を流しながら、マスクをベッドなどに押し当てて袋がふくらんだ状態になってから患者さんに装着します。
袋がしぼんだまま装着すると、吸気時に必要な酸素が十分供給されません。
緊急場面で使うことが多いデバイスだからこそ、手順を事前に知っておいてほしいです。
デバイスのステップアップはSpO2と呼吸状態で判断する
「経鼻カニューラで足りなくなってきたかな……」と感じる場面では、デバイスのステップアップを先輩に相談します。
目安として、経鼻カニューラ4L/分でもSpO2が改善しない場合は、簡易マスク→リザーバーマスクへの変更を検討するタイミングです。
ただし、デバイスの変更は必ず医師へ報告・指示を確認してから行ってください。
勝手にマスクを変えるのではなく、「今こういう状態で、デバイスを変えた方がいいですか?」と先輩経由で確認する動きが正解です。
4L/分を超えたら加湿を確認する
流量が4L/分を超えてくると、鼻腔や口腔の粘膜が乾燥しやすくなります。
加湿器(加湿バルブや蒸留水入りの加湿瓶)がセットされているかを、ルーティンで確認する習慣をつけてください。
★ オキシマイザーは加湿禁止
経鼻カニューラの一種に「オキシマイザー」があります。
少ない流量で効率よく酸素を届けられる構造になっています。
ただし、加湿は絶対にNG。
加湿すると内部の仕組みが壊れてしまいます。
「カニューラだから加湿していいか」とならないよう、必ずデバイスの種類を確認してください。
オキシマイザーの加湿禁止、これ経験者じゃないとなかなか知らんポイントやねん。担当患者さんが使ってたら特に気をつけてな。
「酸素を上げればいい」は危ない……CO2ナルコーシスの話
実際に、コアラ先輩もこんな場面を目撃したことがあります。
他病棟に異動した先で、夜間に「口呼吸になるから」という理由で、酸素マスクを1L/分で投与していた看護師を見たことがあります。
「嘘やろ……」と、心の中で固まりました。
酸素マスクの最低流量は5L/分。
それ以下にすると、マスク内に吐いたCO2がこもったまま再呼吸することになります。
この場面での正解は、「経鼻カニューラを口元に当てること」でした。
呼吸器内科にいた頃は当たり前すぎて気にしていなかったことが、他の科では知られていないことに気づいて、改めて驚きました。
SpO2が下がると「酸素を増やさなきゃ」と焦るのは自然な反応です。
でも、患者さんによっては酸素を上げすぎることで、意識が落ちる「CO2ナルコーシス」を起こすリスクがあります。
CO2ナルコーシスのリスクが高い患者さん
もともとCO2が慢性的に溜まりやすい状態の方が対象になります。
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 重度な気管支喘息
- 神経筋疾患 など
担当患者さんのカルテで既往歴・現病歴を確認して、「この人は酸素を上げる前に先輩に報告が必要」というイメージを事前に持っておくことが大切です。
指示簿見て流量上げるんじゃなくて、既往歴もしっかり確認するんやで。
見るべき観察サイン
CO2ナルコーシスが起きているとき、SpO2が正常値を保っていることもあります。
だからこそ、数値だけに頼らず患者さんの様子を見ることが看護師の仕事です。
- 傾眠(ウトウトして覚醒が悪い・声かけに反応しにくい)
- 不穏(急にそわそわする・言動がおかしくなる)
- 頭痛の訴え
こうしたサインが出たときは迷わず先輩に報告してください。
「SpO2は問題ないんですけど、なんかおかしくて……」という報告でまったく問題ありません。
それが呼吸器内科での正しい動き方です。
SpO2に頼りすぎず、訪床する習慣をつけていきましょう。
(※CO2ナルコーシスと血ガスの読み方は合わせて理解するとより深まります。
血ガスの読み方については近日別の記事で公開予定です)
まとめ:酸素療法は”早めに”覚えてほしい理由
ここまでの内容を整理します。
- デバイスは流量で選ぶ。酸素マスクは5L/分未満では使わない
- 4L/分を超えたら加湿を確認する。オキシマイザーだけは加湿禁止
- CO2ナルコーシスのリスクがある患者さんを事前に把握しておく
- SpO2が正常でも「なんかおかしい」なら迷わず報告
酸素療法が呼吸器内科の「早めにやる」リストに入っているのは、現場で毎日必ず使う知識だからです。
全部を一度に覚えなくていい。
- マスクには流量の下限がある
- CO2ナルコーシスのリスクがある患者さんがいる
という感覚だけは、早めに体に刷り込んでおいてほしいです。
呼吸器内科に来たら最初の1週間で感覚を掴んでほしいやつやで。この早見表、出勤前にサッと見直してな🐨
呼吸器内科の仕事内容と勉強の全体像はこちらにまとめています。
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